梓のことを探しながら校内中を走り回る。
もう!あいつどこ行ったのよ!
人の寝顔写真撮るとか、本気でありえないんですけど!?
あいつの神経どうにかなってんじゃないの!?
結局大体のところ走ったけれど見つからなかった。
「え、ヤバッ!」
不意に時計を見ると、まさかのもう授業が始まっていた!
全然チャイムとか聞こえなかったんですけど!
どれだけ夢中になってたのよ、私ってば.......
先生に怒られるだろうあ.....
そう思いながらとぼとぼ廊下を歩いていると、ふと目に止まった空き教室。
なぜかは分からない。
だけど、そこに梓がいるって直感でそう思った。
少し開いた扉の隙間からそーっと教室の中を覗く。
「......っ!」
そこには、女子生徒とキスをする梓の姿が。
.......なんだろう。この、なんとも言えない気持ち。
脱力感というか、なんというか。
モヤモヤして、どうしてこんなに胸がドキドキいってるの?
それは、嫌なドキドキだった。
梓とふたりきりの時に味わったドキドキとは違う、とても心地の悪いドキドキ。
一気に体の力が抜けて、私はそのままよれよれと空き教室を背に歩き出した。
な、なーんだ。
私だけしか見えないとか、私には本気だとか言ってたくせに。
まだ、女の子とは遊んでるんだ。
まあ、そうだよね。
あの黒河梓だもんね。
私のことが本気だとか、やっぱり嘘だよね。
そうやって少し難のある女子も、今まで落としてきたんだもんね。

