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「.......ちょっと、香澄!!」
「ん~~っ!もう始まる?」
「もう、1時間目終わったよ!」
「..........えっ!?」
一瞬で目が覚めた。
私そんな寝てた!?
「ちょっと!起こしてって言ったのに!」
「起こしたよ?軽く。」
「なんで!もっと本気で起こしてよ!」
1時間目寝過ごしたってことでしょ!?
そんなことある!?
「昨日寝られなかったみたいだし、1時間目は急遽、自習になったから寝かせてあげようと思って。」
「じ、自習.........?」
「そう。先生がおやすみになったんだって。ゆっくり寝られた?」
「ま、まあそれなりに.......」
自習だったんならいいか......
私は席を立って体を伸ばした。
「面白い話してあげようか?」
と、ニヤニヤ気持ち悪い笑みを浮かべる美華。
嫌な予感しかしない。
「香澄、ずーっと黒河くんの方向きながら寝てたよ。」
と、美華の口が動いた。
「ばっちり黒河くんに写メ撮られてたし。」
「はあ?」
意味わかんない!
美華はとても楽しそうに笑ってるけど、笑い事じゃないよ!
ま、まあ?私は寝てたわけだし?
梓の方を見て寝てたことは.......この際仕方ないことにしよう。
いや、することしかできない。
けど!
写メ撮るとか最低最悪!
拡散される可能性大!!
なんとしてでも削除させなければ!
「あいつは!?今どこ!」
「女子に呼ばれて教室でてった~。」
「くっそ!」
「香澄!?授業もう始まるよ!?」
そんな美華の言葉は私の耳には届いていなかった。

