【完】恋なんてするものか!






***






「.......ちょっと、香澄!!」






「ん~~っ!もう始まる?」






「もう、1時間目終わったよ!」





「..........えっ!?」





一瞬で目が覚めた。




私そんな寝てた!?






「ちょっと!起こしてって言ったのに!」






「起こしたよ?軽く。」





「なんで!もっと本気で起こしてよ!」






1時間目寝過ごしたってことでしょ!?





そんなことある!?





「昨日寝られなかったみたいだし、1時間目は急遽、自習になったから寝かせてあげようと思って。」






「じ、自習.........?」






「そう。先生がおやすみになったんだって。ゆっくり寝られた?」






「ま、まあそれなりに.......」





自習だったんならいいか......





私は席を立って体を伸ばした。






「面白い話してあげようか?」





と、ニヤニヤ気持ち悪い笑みを浮かべる美華。





嫌な予感しかしない。






「香澄、ずーっと黒河くんの方向きながら寝てたよ。」







と、美華の口が動いた。






「ばっちり黒河くんに写メ撮られてたし。」






「はあ?」





意味わかんない!





美華はとても楽しそうに笑ってるけど、笑い事じゃないよ!





ま、まあ?私は寝てたわけだし?





梓の方を見て寝てたことは.......この際仕方ないことにしよう。






いや、することしかできない。





けど!




写メ撮るとか最低最悪!





拡散される可能性大!!





なんとしてでも削除させなければ!





「あいつは!?今どこ!」





「女子に呼ばれて教室でてった~。」





「くっそ!」





「香澄!?授業もう始まるよ!?」






そんな美華の言葉は私の耳には届いていなかった。