だって、あんなにたくさん笑ってた。
遊園地での時間を思い返してみても、笑顔の自分しか思い浮かばない。
ちゃんと、心からの楽しんでた。
「だから.........ありがと......」
最初は嫌だった。
意味のわからない勝負に半強制的に参加させられて。
負けたらデートなんて変な条件まで加えられて。
ただの罰ゲームだと思いながら今日も待ち合わせ場所までやってきた。
だけど想像以上に楽しくて。
「香澄に喜んでもらえたなら、よかったわ。」
顔を見なくてもわかる。
彼の嬉しそうな表情が。
声だけで伝わってくる。
嬉しそうな顔をしているであろう梓を想像しながら、自然と自分の頬もゆるんだ。
手を繋ぎながら歩く無言の帰り道。
私と梓の間には、穏やかな空気が流れていた。
「また今度、違うところ遊びに行きたいな。」
「ふふっ、そうだね。」
なんでかな。
また二人で遊びに出かけたいなって、思えたんだ。
きっとまた、こうやって楽しい時間を過ごせるんだろうな、って。
家まであと少しとなった。
もうすぐ家に着いてしまう。
なんとなくだけど、名残惜しいような、惜しくないような........
「なあ。」
「うん?」
「キスしたいって言ったら怒る?」
「うん。怒る。」
「やっぱ、即答か。」
当たり前でしょう。
付き合ってないのにキスなんてチャラ男のあんたくらいしかしないわよ。
私はそんな尻軽女じゃないから。
「でも、素直な香澄も可愛くて無性にキスしてー。」
「やめて。可愛くないから。」

