「あれ、正直心、揺らいでたんじゃない?」
なんて、ケロッと言ってしまうようなやつだ。
信用しろったって無理に決まってる。
少しだけだけど、揺らいでた自分がいたからうろたえる。
「そんな軽い人間じゃないのよ。私は。」
今まで恋愛経験がなかったからって、なめてもらっちゃあ困る。
私だって、その人と付き合ってどうなるかってことくらい想像できるわよ。
「あんたみたいにチャラチャラしてるやつに興味はないし、付き合う気も、彼氏になるつもりもない。わかったら二度と同じような事言わないでよね!?」
ベラベラと早口でそう伝えた。
あいつに口を開かせたら、そのまま言いくるめられてしまいそうで、怖かったから。
「確かにさー、俺も悪いけどさ、過去は過去今は今って言葉、知らない?」
「......っ。」
「そうやって、いつもいつも噂とか過去の話で俺の気持ち否定しないでさ.......」
そういうと、クイッと私の顎を持ち上げた。
「今の俺を見てよ。」
そう、いつにもなく甘い声で。
私に囁いたのだ。
「今の俺の目には、香澄しか写らない。ほかの女子なんてどうでもいい。香澄がいい。」
何を言われたって、私は動じない。
私は何も、間違ったこと言ってないもの。
あんたが全部悪い。
過去は過去だろうけど、その過去が招いた現在でしょ。
「だからいつか、香澄の頭の中も目に映るのも、俺だけにしてあげる。」
「.....」
「俺のことしか考えられなくしてやるから。」
な、によ......
なによ、なによ!
何よ偉そうにっ!!

