せっかくだし、楽しまなきゃ損だよね!
そう思おう!
ふたりでジェットコースター目がけて走り出した。
***
「やばーっ!楽しすぎる!」
絶叫系をこれでもかというほど乗った。
やっぱり遊園地と言ったら絶叫系だよね!
乗らないと来た意味ないくらい!
「俺のこと嫌いな割にはしゃぎすぎじゃないですか?お嬢さん。」
「遊園地、は!楽しいもーん!」
「ま、楽しんでくれてるんならいいや。」
でも、確実なのは、出会ってすぐよりそこまで敵対視はしてないってこと。
全くしてない訳では無いけど。
前よりも、梓のことを知ったからかな?
頭ごなしに嫌いではない。
「な、これ入る?」
と、指さした大きな建物。
「お化け屋敷?ここ、怖いので有名なやつじゃん。」
バラエティ番組とかでたまに芸能人の人が入ってたりするのを見たりする。
学校を舞台にしたお化け屋敷らしい。
「お前と入っても楽しくなさそうだからやめるわ(笑)」
「はあ?何それ!」
失礼なやつだな!
「お化けとか怖がらなさそうだしさー。叫んで俺の腕つかんでくれるとかあれば萌えるんだけど。」
「勝手に言っとけ。」
まあ?
お化け屋敷ごときで怖がったりするような女ではないことは間違ってないけど。
普通にお化け屋敷はスルー。
本気で私と入るのは嫌みたいだ。
マンガの読みすぎよ!
彼氏の腕にしがみつきながら、お化け屋敷に入っていくカップルもちらほらいるけど。
なにがいいんだか、さっぱり分かんない。
「あ........」
「ん?」
私の目の前に映ったのは、フルーツがたっぷり乗っかったパンケーキの看板。
これ絶対美味しいやつじゃん。
そろそろお昼だし、お腹すいてきたし。
ついつい立ち止まってしまった。

