それは、相手チームも同じだった。




3セット目は、相手に流れを持っていかれ、ただ今9-16で負けている。






いよいよ負けるかもしれない。





たかが球技大会だし、と諦めかけていたその時だった。






「香澄~!気持ちで負けたらダメだよー!」





と、美華の声。





「お前の強さ、そんなもんじゃないだろ。頑張れ!」





と、梓の声。




それ以外にも私に応援の声をかけてくれる子達はたくさんいるんだけど。





やっぱり、その2人の声が誰よりも心に響いた。





負けたら、だめだ。




こうやってみんな応援してくれてる。





美華のテニスも優勝して。





梓のバスケも優勝した。





このまま、バレーだって優勝してやる。






そして、次のサーブは私の番。




あまり得意ではないけど、練習はした。





少しでも、巻き返さなきゃ。





大きく深呼吸をして、私はサーブを打った。






────ワァァァァァ!!!!!






ふたりの声が、相当心に響いたのだろうか。






私はサービスエースを決め続けた。





相手に一点も与えず、20点まで点を伸ばした。






「香澄ちゃん、ナイスっ!」





「このまま逃げ切ろう!」





同じバレーに出場しているクラスメートも、ハイタッチしてくれた。





久しぶりに、こんなに楽しい気分だ。







そして、24-19





ここで点を決めれば優勝が決まる。






私たちのからのサーブ。





相手も、あと1点取られたら負けるという気持ちが強いのか、なかなかボールを落とさい。






何回もラリーが続いた。