ひとまずギャラリーに上がり、バスケのコートの応援席でコートを見下ろす。
前のゲームが終わり、とうとうやつが出場するゲームだ。
さすがモテモテな梓。
梓がこのゲームに出ると知っているやつのファンでギャラリーを見る見るうちに溢れかえっていった。
少しだけある、練習時間。
梓が仲間達と練習を始めると、
「キャーーーーっ!!」
女の子たちの黄色い声が耳元で響く。
練習だっていうのに、ものすごい盛り上がりようだ。
だけど、悔しいけど、その姿に私は開いた口が塞がらなかった。
なに、あのバスケのうまさ。
未だ練習をする姿を見ただけなのに、たぶん相当うまいのだろうと思わされた。
自分のクラスの人たちと練習をしているのに、そのクラスメートでさえ練習についていけてない。
あんなの、反則でしょ......
そりゃ、こんだけ盛り上がるわけだ。
練習時間が終わり、試合がそろそろ開始される。
あいつ.........どのくらい点を決めるのだろうか。
あいつが何回シュートを決めるかによって、私との勝負の勝敗が決まる。
さっきまで自分が自信満々だったのに、あいつのバスケをする姿を見たら一気に不安に変わった。
まさかこんなにも上手いだなんて、想像していなかったから。
顔も良くて、スポーツ万能だなんて、なんてよくできた人間なんだよ、まったく。
まあ、それに比べて中身は最低最悪だけどね。
各チーム一列に並び、礼をしてからジャンプボールでゲーム開始。
ジャンプボールをするのはもちろん梓だ。
「梓ー!がんばれ!」
「いけーっ!黒河くーんっ!!」
ギャラリーの盛り上がりも、どんどん激しくなっていく。
そして、ゲームが始まった。

