「やばっ!めっちゃかっこいい!」




「さすがだよね~!」




「王子様って感じ!」





朝から飛び交う女子の歓声。




黄色い声が様々なところからしてくる。





そんな声も、もう慣れた。




高校に入学して1年。




今日から晴れて、高校2年生。





1年も同じ言葉を聞いていたら、さすがに慣れる。






そんなにかっこいい人なのかって?





そんなにイケメンな王子様がこの学校にいるかって?




そんな夢物語、あるわけない。






「相変わらずモテモテですねえ~。」




「どうにかなんないの?あれ。」





別に王子様がいようが、イケメンがいようが。





その人に向かって黄色い歓声を浴びせようがなんでもいいんだけど。





何が不愉快かって。





「そこら辺の男子よりモテてるもんね、香澄(かすみ)。」






その黄色い歓声が、私に向けられてるってこと。





そりゃ、まあ、誰かに嫌われるとか、嫌な噂流されるよりはましかもしれないけど。