「光くん、私のことキモイって言ってたの…？」
怪訝そうな顔でスマホから目を離す仁奈。
「違うって。また悠希のデタラメ」
「ふーん」
再びスマホに視線を落とす仁奈の手は
悠希に返事を書いてるようだった。
「何て書いた？」
今聞かなかったら、
今日一日中、気になりそうだし。
仁奈はスマホを鞄にしまいながら言った。
「別に何でもいいって」
「それ、どういう意味だよ」
「別に光くんが私のことキモイって言ってたとしても、
私のこと遊びだとしてもいいって…」
「なんで？」
「だって、デタラメなんでしょ？
それが分かったから、別に何でもいいよ。
それより、お腹すいたな…」
