唇をそっと離すと
そのまま仁奈を抱き締めた。
「俺の前で他の男の名前を言うな」
俺の耳元で仁奈の声がする。
「光くん…やっぱりチャラいね」
俺はすぐに仁奈を離した。
「好きでもない人とキスしたりするんだ…
私そういう人、嫌いだよ」
「違う!俺は…」
俺は…仁奈のことが
好きなんだよ!
でも言えない。
今言ったって無駄だ。
仁奈は今日のこと
誤解したままなんだから。
「仁奈、俺に説明させてくれねーか?」
「……」
仁奈は答えない。
「今日のことごめんな。
あの一緒にいた女は元カノで
悠希に騙されて俺のとこに来た」
「元カノ…?」
「うん。でも、全然好きじゃなかったし、
今も全く興味ない。
あいつは俺とヨリ戻したかったみたいだけど
ちゃんと断った」
