「他に知ってる奴は?」


俺がそう聞くと、仁奈は俺の顔をちらっと見た。


「学校では先生たちだけ」


「でも、漫画家しながら学校も来てて
仁奈ちゃん大変だよな~?」

悠希が言った。

「うん…。でも学校休みたくないから
徹夜で原稿してたの。
そしてら、学校でいつも寝ちゃって…」


仁奈はか細い声でそういうと、

カフェラテを一口飲んだ。



「みんなにお眠りちゃんとか言われちゃって…
まあ、しょうがないよね」


少しうつむきながら苦笑いする仁奈は

やっぱりかわいいと思った。





そうか…


いつも寝ていたカノジョは


売れっ子漫画家だったんだ…