最新刊を手に取ると、
仁奈は慣れた手つきで表紙を開き、
ペンですらすらとサインを書いた。
ちょっと待て…
これは、こういうことだよな?
――仁奈は、漫画家。
*
今、あの本屋と同じ建物の中にあるカフェで
俺はアイスティーを飲んでいる…
悠希と仁奈と。
「仁奈ちゃん、漫画家だったってこと~?」
悠希のフラペチーノはすでに空っぽになっていたのに
ストローをくわえてながら話していた。
「ナナ・ホワイトって、ペンネームだよね?」
「うん…。二人とも隠しててごめんね。
このことは誰にも言わないで」
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