「見たことない…」

「まじで?仁奈ちゃんの好きなものくらい
覚えときなよ~」



まあ、でも、サイン入りの漫画なんて

誕生日プレゼントとしてどうだろうか。


女子って、アクセサリーとか

かわいい小物がいいんじゃねえの?



「隣のクラスの女子がサイン会の整理券ゲットしてて、
俺、まじで頼み込んだわけ!
何でもするから、それ譲って~っつってさ」


って、悠希がそんなこと言うから、

今さらこのプレゼントをやめようとも言えず…


気づけば俺たちの番が回ってきていた。





そして、その漫画家、

『ナナ・ホワイト』先生を前にして

俺たち二人はフリーズしたのだった…。