俺は仁奈に駆け寄って
ひざまずくと、仁奈の体を抱きかかえた。
「おい……、仁奈?」
「……」
返事はなかった。
仁奈は目を閉じて、ぐったりしている。
目の前には伊林が立っていて、
仁奈の方にスマホを向けていた。
「あははは!いいの撮れたじゃん!
ホテル帰ったら動画サイトにアップしよ~」
伊林がそう言った瞬間、
悠希の手が一瞬で伊林のスマホを取り上げた。
「こういうの、犯罪だよ」
そう言うと悠希はそのスマホを
後ろの壁に思いきり投げつける。
「は…?!マジありえないんだけど!」
見るも無残に割れた自分のスマホを茫然と見つめる伊林。
「お前ら、まじで殺してもいい?」
「やってやろうよ、光」
