誰かが制服の裾をつんつん引っ張っている。

「お、仁奈。どした?」


「また、後でね」


そう言って仁奈は走り去った。




俺はその後姿を見つめる…

「かわいいな~って、今思っただろ?」


岡野が隣でくすくす笑う。


「うるせー」


確かに思った。かわいいって。

いつだって思ってる。

仁奈はかわいいって。




仁奈と回りたかったな。



「よ~し、私たちも出撃!」

「まずはあそこから行こう!」


張り切る女子たちに俺はついて回った。

楽しくねーな…

あれ?俺ってテーマパーク嫌いだったっけ?