寝ているカノジョ



「お前らのこと、ぶっ殺すかも」


静まり返るバス内。

みんな同じ顔してる。


『あのいつも静かな瀬野君が、
こんなに怒鳴り散らすなんて…』


って、顔だ。



「う、うそじゃないもん…
みんな信じてくれるよね?」

「ちょっと、亜美!泣かないで~」

「瀬野君、亜美に謝ってよ」


突然泣き出した伊林。

一気に俺は悪者みたいになる。


「泣いたふりとか、汚いね~」

今まで黙ってたやつの声が聞こえた。

「ねぇ、伊林ちゃん。あ~
嘘つきちゃんか~」


その声の主はそっと立ち上がった。

「大橋君?」

「悠希?」