目を閉じる伊林の顔がどんどん近づいてくる…
どういうことだよ、これ!
こんなところ、仁奈に見られたら誤解される…
初めてのデートの二の舞にはなりたくねぇ…
「へぇ~、付き合って二日目に
もう二股か~。やるね~」
伊林が目を開けて、不満そうに声の主をにらみつけた。
「もう、大橋。空気読みなよ~」
伊林はそう言って、ソファから立ち上がる。
悠希はポケットをごそごそして、小銭をいくらか取り出した。
「何、君らそういう感じなの?」
悠希は自動販売機に小銭を入れながら、
飲み物を選んでいるようだ。
「は?ちげーし!こいつが勝手に…」
俺も立ち上がる。
「伊林、次俺に近づいたら、一生口きかねーから」
「え~ん」
「俺、仁奈以外興味ねーから」
俺は出てきたジュースを飲んでいる悠希に近づいて、
耳打ちする。
「さっき見たこと、仁奈に言うなよ。絶対」
