「仁奈?ごめんな」

俺は仁奈の隣にそっと立った。

少し距離は置いて…


「光くん、あぁいうこと言うのやめて…」

仁奈はうつむいたままそう言った。


やっぱりあのことか…


「ごめん。俺たち別に付き合う約束なんて
してなかったよな…。
勝手に宣言して悪い…」


仁奈は両想いでも、俺とはそういう関係には

なりたくないんだな…


「ち、違うっ!そうじゃなくて…」

「そこの二人、今から北先生が連絡事項をおっしゃるから
すぐに部屋に入りなさい」

仁奈が何かを言いかけたちょうどその時、

隣のクラスの担任が、俺たちにそう言った。


俺と仁奈は無言で部屋に戻る。


仁奈…何を言いかけたんだ?

違うって言ってたけど

何が違うんだ?