石像のように固まる悠希。

驚きの声を上げる女子たち。

うなずく岡野と山下。

むせる仁奈。



「悠希、次仁奈に触ったら、
俺、お前のこと殺すかも」

俺はそう言って、仁奈を離す。

悠希は状況が何も言わず、ただ固まっていた。


「城井ちゃん顔赤ーい!」

きゃっきゃとはしゃぐ女子たち。


仁奈とは付き合うとか、そんなこと言ってなかったから

今仁奈はどう思ってんだろ…

俺が周りに付き合ってる宣言してしまったこと。



「仁奈?」

俺は仁奈の耳元でささやいた。

「……」

仁奈は答えなかったし、俺の方も見なかった。

うつむいたまま、食べかけのパンを握りしめている。


え、俺、やばいことした…?


ガタンッ!

突然仁奈が立ち上がった。