「いや、ださくねーよ」
かわいいよ、なんて言えるはずもなく…
「それより、何?」
あー、俺ってなんでこんな冷たくしか
話せねーんだろうな。
もっと優しく話してやりたいのに…
「あの、清水寺からバスまで
連れて帰ってくれてありがとう。
さっき、他の子から聞いて…」
仁奈は、俺と目線を合わせない。
何でだろうか。
「いいよ。体調よくなったか?」
俺は、仁奈の顔をじっと見た。
顔色は朝よりもだいぶ良くなっている。
「うん、おかげさまで…
あの、光くん…」
「城井ちゃん、座りに行こう!」
仁奈の話が終わらないうちに
他の女子が仁奈を呼んだ。
「うん!
じゃあ、またね、光くん」
仁奈は俺に背を向けて走り出す。
待てよ…
仁奈、何を言おうとした?
