くそ!
仁奈は、俺の……!!!
俺は椅子から立ち上がり、
仁奈の横に立つと、
そのままかがんで仁奈にキスをしようとした。
俺の唇が、仁奈の唇に触れたその時、
「あら、瀬野君が連れてきてくれたの?」
後ろから声がして、とっさに仁奈から離れた。
振り向くと、担任がお土産の手提げ袋を
何個もさげて立っていた。
「あ、先生、俺は、ただ、あの…」
キスしかけたところを見られて
必死に言い訳を探すも見つからない。
「城井さんね、お家で大変なのよ。
だから、そっと寝かせておいてあげてね」
担任はそう言うと仁奈の横に手提げ袋を置いた。
担任は俺がしていたことについて触れなかった。
じゃあ、担任は知ってるのか。
仁奈がいつも寝ている理由。
家で何をしているかも。
「先生、仁奈、あ、いや、城井さんは
家で何してるんですか?」
「それは、先生からは言えません。
でも、この修学旅行のために
城井さんはいつもより無理しないといけなかったみたい」
