「何してんの?」
振り返ると、手に袋をさげた悠希が立っていた。
明らかに面白くなさそうな顔だ。
「別に。てゆうか、仁奈のこと寝かせろよ」
俺は立ち上がって、そう言い放った。
*
「瀬野、瀬野!ついに来たぜ!京都!うわぁ、やべぇ!」
岡野の声に、俺は目を開けて窓の外に視線をやる。
見慣れた街並み。
あぁ、京都ね。
母親の実家が京都だから、毎年来てる。
京都のメジャースポットはほぼ制覇してるし、
岡野みたいに、テンション上がらねーわ。
それより、やっぱり俺、爆睡してたみたいだ。
仁奈はまだ寝てるかな?
俺の席からはよく見えないけど…
