ヤマさんからあさひに連絡があって、
今週末には帰ってくるらしい。
 
 結局、初めは10日間の予定が、2週間
になって、それ以上伸ばせないギリギリ
まで、2人で旅行だって。

 あー、羨ましいな。
私は、八方塞がりで、悶々としてるのに。

 ずいぶん考えたけど、やっぱり答えが
出ないで、深いみどり色の海の底に沈ん
でいると、寧子が、

「なにー、まだ悩んでんの?
いつまで悩んだって答えが出ないんだから、
もう、動くか諦めるしかないんだよ!」

 そんなこと言ったってねー

「だし、諦められるなら簡単だけど、
ダメなんでしょ?
諦められないんでしょ?
だったら、答えは出てんじゃん!」

 確かに・・・

私は、決心した。

「あさひのアパートに行くよ」

「そー、そうでなくっちゃ!」

 寧子はほんとに喜んで応援してくれた。
そうと決まれば、あとは行動あるのみ。

 授業が終わるのを待って、ミチに頼んで
いったん家に帰って、パッキング。

 とりあえず、身の回りの物をスーツ
ケースに詰めて、ホストには


「しばらく勉強が忙しくなるから、
友達の家に泊まる」

ってメモを書いて、慌てて引き返した。