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「万由のこと好きだよ。」
「わたしも将くんのこと好きだよ。」
寒さ残る高校2年生の春
私たちは両想いになった。


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「顔まっかやん。」
「うるさいっ。恥ずかしいんだもん。」
チリンチリンと風鈴が風に吹かれて鳴る。
初めてのキスに顔を赤らめた
高校2年生の夏。


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「痛くない?」
「んーん……。幸せ。」
恥ずかしさや不安よりも、彼のものになったような幸せを感じた。
緑の木々が紅葉に色付き始めた
高校2年生の秋。


……
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「叶えたい夢があるから、東京の大学にいきたい。帰ってくるから待ってて。」
「わたしは将くんに、夢を叶えてもらいたい。将くんを待ってる。」
握った手は彼の決心の強さを思わせるような、寒さに負けない温かい手だった。
寂しさに頬をぬらした高校2年生の冬。