ティアラ

……確かに。

済んでたら、まだしてない直子を馬鹿にしてるだろうな。

「え、まだだったの? お前」

直子の言葉に納得していると、黙って聞いていた太一はまたからかおうと思ったのか、嬉しそうな表情をした。

「うるさい。あたしは自分を安売りしてないだけ!! あんたとは違うのよ」

太一のにやけた顔を鞄で叩き、あたしは自分に言い聞かせる。

そうよ、あたしは高い女なのよ。

簡単に唇や体を渡すような女じゃない。

「そうよ! キスがまだでも負けてるわけじゃないのよ! 直子、あたしたちはお高く生きてるだけなのよ! 結婚する相手じゃなきゃキスや体は渡さない、ってくらいでいなきゃ!」