ティアラ

「……負けた気がするのは、あたしだけ?」

1年の教室から戻ってきたあたしたちは、妙に落ち込んでいた。

「いや、あたしも悲しい気分だよ」

直子のつぶやきに返事をするあたしは、教室に置いていた鞄を持って、帰る準備をする。

「付き合って4年だってさ」

あたしの机の上に鞄を置いていた太一も、ハァッとため息をついて、同じ心境でいるようだった。

「4年って……。あたし、今まで何人か彼氏いたけど、最高1ヶ月ちょいだよ」

「何人か彼氏がいたんだから、美和のほうがマシだよ。あたしなんか一度も……」

「……俺、陸上が彼女だから!!」

あたしたち3人は「デート」とか「お泊まり」って言葉からかけ離れた生活をしている自分を、情けなく思っていた。