ティアラ

「……あ」

玄関のドアを開けると、外は白い小さな粉雪が舞っていた。


「積もるかな?」

「無理だろ、こんな雪じゃ」

冷えた道を、肩を並べて歩く。


ひねくれ者の篤紀は前を向いたまま、そっとあたしの手を取った。

いつも言い合ってばかりのあたしたちだけど、この雪の下なら少しは恋人らしくなれるかもしれない。