ティアラ

その腕を掴んでくる、彼。

「誰が何と言おうが……1番だよ、お前は」

その言葉を聞いたあたしは、ミスコンで1位を取ったときのような気分になった。

ううん、そのときよりも胸の奥が熱い。

たったひとりに想われることが、こんなにも嬉しいなんて……。

世界一の幸せ者になれた気がする。

あたしはゆっくり瞳を閉じた。

篤紀の大きな影が、あたしの顔を覆ってくる。

唇がそっと触れる、と思ったとき、あたしの鞄の中から携帯電話の着信音が鳴り響いた。