ティアラ

サラッと言われた一言。

呆然とするあたしに、彼は「それだけじゃ物足りないって?」と聞いてくる。

「怒ってないの?」と恐る恐る問いかけると、彼は軽い口調で「怒ってるよ」と返してきた。

またうつむく、あたし。

「そりゃ怒るに決まってるだろ。俺と別れてまで他の人間に気に入られたい、とか」

「ごめんなさい」

謝ると、彼はそれ以上、文句を言ってこなかった。

「まぁ、頭を打って気付くこともあるんだろうし、これはこれでよかったんじゃね?」

そう言って、彼はあたしにゼリーを乗せたスプーンを向けてくる。