ティアラ

このままじゃ、確実に負ける。

どうしようもない状況を前にして、あたしは何も言えなくなった。

直子と太一も顔を見合わせて、下唇を噛んでいる。
そのとき、だ。

校庭付近で騒ぐ生徒たちの声が、耳に入ってきた。

何が始まったのか、と不思議に思いながら、階段を下りるあたしたち。


そこで見たのは、筆文字で「新生アイドル誕生」と書かれた垂れ幕だった。

盛り上がる生徒たちの真ん中には、田畑あきおが笑っている。