ティアラ

見え隠れする自分の本音に戸惑いながら、目の前にある粘土を触り続ける。

新聞紙を広げたテーブルに叩きつけたり、グーで殴ったり……。

「……」

本当は、少し前から「そうなのかな」と考えることもあった。

でも、素直に認めたくはなかった。

だって、あたしは想われる側に立つ人間で、片思いなんてする必要もなくて……。

自分を見てない相手を好きになるほど、男に困ってるわけじゃないし。

手のひらで押しつぶした粘土を、新聞紙の上に置く。

すっくと立ち上がったあたしは、ドアノブを汚さないよう、足で扉を開けた。