ティアラ

「痛い」

直子の手を見つめながら、真顔でつぶやいた。

腕をパッと放し、ため息をつく彼女。

「深町と関わるな、って言ってたくせに」

イライラしたから、嫌みっぽく言ってやった。

「あれは太一のことがあったから……。今は応援してるつもりだよ」

「だから、好きじゃないって」

慌てる直子の話をさえぎるように、冷めた口調で言う。

張り詰めた空気を潰すかのように、チャイムが鳴り響いた。