ティアラ

「やーめた!」

今さら思い出したって時間の無駄よね。

もう、深町のことなんて忘れよ。

気を取り直したあたしは、勢いよく布団をかぶり、目を閉じた。

「……」

寝ようとしてるのに、深町を思い出してしまう。

まぶたの裏に映る、屈託のない笑顔。

サッカーをしてるときの爽やかな姿。

意地悪なことを言うときの、憎たらしい表情。

眼鏡をかけ直すときの、手の動き。

……低くてハスキーなあの声。

妖精男に襲われたときも、サッカーボールで助けてくれた……。