ティアラ

そのまま抜けようと思っていたあたしは、ふと直子の性格を考えて、くるりと振り返る。

「太一! あんたのことを幸せにしたいって考えてる女、近くにいると思うよ!」

大きな声で叫んで、あたしは校内へ戻っていく。

顔を真っ赤にして焦っている直子が、可笑しくてたまらなかった。

「あの雑誌、直子にあげよっかな」

一緒に過ごせないのは、ちょっと寂しいけれど……。

彼女の片思いを応援したい、って思うんだ。

あたしたちは親友だもん。