ティアラ

不思議そうな顔をしながら、重たい腰を上げて、立ち上がろうとするおばあさん。

「あ、やっぱり……いいです」

慌てて首を横に振り、店を出る。

おばあさんは嫌な顔せず、にこやかにあたしを見送ってくれた。

「謝ってもらったんだから、もう仕返しなんてしなくても……」

とっさに出た自分の行動に、少し戸惑う。

「あんたの勝ちだよ」と言った、直子の言葉を思い出した。

そして、最後に見た深町の表情も……。

家に帰ったあたしは、私服に着替えた後、買ったお菓子をテーブルの上に広げた。

大好きで、いつも買っていたおまけつきのラムネ菓子。

箱を開けると、出てきたのはプラスチックでできたブレスレット。

数珠のようなそれを腕につけて、懐かしさにふける。