ティアラ

そっと目を開けた彼は、冷たい口調で問いかけてくる。

「え……」

「まだ満足できない? じゃあ、もっと飲もうか?」

戸惑うあたしの手から水筒を奪い、蓋の中に赤い液体をドボドボ注ぎ込む。

「も、もういいよ! ……それ以上飲んだら、口の中が変になるでしょ?」

無理矢理でも飲ませようと思ってはいたけれど、すすんで飲まれるのは気が引ける。

だって、ハムサンドを味見したとき、あたしも少し飲んだんだけど、とっても辛かったから……。

水筒を取り返して、蓋に入っているジュースを、もう一度、中に戻す。

そんなあたしを、彼は黙って見つめている。