ティアラ

少し沈黙になっていたけど、彼はポケットに突っ込んでいた手を出して、目の前にあるサンドウィッチを受け取った。

あたしの顔をチラッと見ながら、ゆっくり頬張る。

きっと、マヨネーズが口の中に広がったのだろう。

動き始めた頬は、ピタリと動きを止めた。

思わず、にやけてしまう。

「この野郎……」って文句を言ってくるに違いない。

まずそうにしている顔を早く見たくて、あたしは笑いながら彼の言葉を待つ。

だけど、深町は無表情のまま、再び、口を動かした。

一切れを全部食べた彼。

「食べ切ってから文句を言ってくるのかな」って思っていたあたしは、バスケットの中に手を伸ばす彼を見て、驚く。