ティアラ

「無視しないでよ! せっかく作ってきたんだから、ちょっとくらい食べてよね!」

荷物をまとめて公園を出ていこうとしている彼を、駆け足で追いかける。

振り返るその顔を見ると、彼はまだ不機嫌な様子。

「ほら、食べてよ!」

深町の機嫌がどうであろうと、そんなのあたしには関係のないこと。

バスケットを開けて、中に入っているハムサンドを差し出した。

彼は静かにそれを見下ろすだけで、なかなか受け取らない。

……マヨネーズの色でばれたかな?

焦ったあたしは、差し出しているハムサンドを彼の口元に向ける。