ティアラ

「……太一かぁ」

男として見たことは一度もなかった。

彼と仲良くなったのは、入学して1ヵ月も経ってない頃。

放課後の裏庭で直子と話しているところを、偶然、見られたことがきっかけ。

校内をランニングしていた太一は、素のあたしを知って「ちょっと意外」と笑いながらビックリしていた。

「やばい」と思ったあたしは、走り去る彼に飛び蹴りをしてとっ捕まえる。

周りには誰もいなかったから、堂々と脅すこともできた。

「誰かに話したりしたら、ただじゃおかないからね」

太一の胸元をギュッと締め付けて、低い声で囁いたあたし。

……そのときからかな、3人でいることが増えたのは。