ティアラ

目を合わせなかった彼女は、あたしの挑発に苛立ったのか、眉間にしわを寄せた表情で口を開く。

こぼれた言葉の中には、「太一」という名前が入っていた。


その夜、あたしは通販で買った美顔器を手に、風呂場で座っていた。

頭の中で、直子の言葉がグルグル回っている。


「気づいてあげなよ」

彼女の口から聞いたのは、太一の気持ち。

全然知らなかっただけに、その話を聞いたときは、思わず「まさか」と笑い飛ばしてしまった。