ティアラ

昨日までのことが夢のように感じるほど、次の日は穏やかだった。

「誰がどこで見てるかわからなんだから、これからは気をつけなさいよ?」

午後の休み時間に、直子は人差し指を立てて注意してくる。

「はいはい」

何度も同じことを言われるあたしは、うんざりした顔で返事を返した。

「言ってるそばから、そんな態度だし……」

ため息をつく直子の隣で、太一は「殺されかけたんだから、少しは用心しろよ」と言いながらケラケラ笑っている。


あの後、太一は半べそをかく森本から「なぜこんな陰険なことをしたのか」と、あたしの代わりに問いただしてくれた。