ティアラ

「……うん」とつぶやくあたしは、少し離れた場所にいる深町に目を向ける。

サッカーボールを持つ彼は、この光景をジッと見ていた。

頭の中に浮かぶのは、首をしめられているときに聞こえた声。

認めたくはないけれど、あのまま誰も来なかったら、あたしは殺されていたかもしれない。

悔しい気持ちを押し殺して、あたしはそっと深町のそばへ行く。

「あ、ありがとう……ござい、ました」

負かされた気分だ。

だけど、今回の件は、本当に助けられたと思うから……。

素直に礼を言う、あたし。

目を細める深町は、呆れた口調でつぶやいた。

「耳をほじくりながら言うな」