ティアラ

「さぁ、じっくり話を聞かせてもらおうか」

涙目になる森本に、脅すような言い方をする太一。

「もう必死だったよ。歩いてる人たちに、この辺りで散髪屋はありませんかって聞きまくったしね」

息を切らしながら、ここに来るまでのことを話す直子。

「ふたりとも、ありがとうね」

緊張感がとけて、あたしはホッとした顔をする。

「何かされたの? 大丈夫?」

直子は腰に手を置いたままのあたしを見て、眉間にしわを寄せた。