ティアラ

「気づかないふりをしていれば、きっと家の前までついてくるだろうなと思ってたし、

そうしたら汚された自転車を見せて、この請求書を突き出してやろうと思ってたんだよ。

だけど、途中からいなくなったし、おかしいなと思って戻ってきただけ」


深町は嫌みったらしい口調で、考えていたことを口にする。

だから、自転車には乗らず、ずっと歩いてたのか。

どこまでも性格が悪い男だな、と思った。

「そしたら、お前が変な男に襲われてたから、仕方なく助けてやったんじゃねーか。……本当、ひどい言われようだよな」

助けるんじゃなかった、とまで付け足す彼。