ティアラ

「ありえない」

ツンと向こうをむいて無視すると、深町はまたもや顔の前に紙を持ってきた。

「この前、俺の眼鏡を盗ったよな? 俺、困ってんだよ」

困らせたくてやったのだから、本人からこんな台詞を聞けるのは嬉しい。

嬉しいけれど、こんな請求を受けるのは勘弁だ。

「困ってるなら、返してほしいですって頭を下げてきたらいいじゃない。どうして新しい眼鏡の代金を払わなきゃいけないのよ」

「なんで俺が頭を下げなきゃいけねぇの? 盗んだお前が悪いんだろ」

何とか払わずに済むよう言い返してるんだけど、深町の口は相変わらず達者だ。