ティアラ

「……どうして、ここに?」

あんなに遠い場所から蹴ったのに、ボールは見事、森本の頭に当たった。

サッカー、上手なんだな。

「てか、お前はなんでここにいんの?」

礼を言わず問いかけると、深町はボールを脇腹で抱え、腰を曲げた。

憎たらしい表情で聞き返してくる。

口ごもるあたしを見て、深町はフッと鼻で笑った。

「今日、ずっと俺のことつけてたろ?」

ギョッとするあたし。

「下手な変装までしてバカじゃねーの?」

深町は落ちた帽子を拾って、あたしの頭にポンッとかぶせた。