ティアラ

返事をしないあたしに、森本は低い声で語りだす。

てか、目がすわってて、本当に怖い。

「だけど、君は花の妖精なんかじゃなかった。……醜くて、したたかで、白い妖精物語で言わせれば妖精界を壊す“悪の魔道師”のような女だった」

森本はそう囁きながら、手にしていたあたしの写真を強く握り締めていく。

こいつ……、何言ってんの?

静かに話を聞いていたあたしは、訳のわからない話に首をかしげる。

「あのさ、花の妖精とか魔道師とか、よくわかんないけど……。頭、大丈夫?」

刃物で刺されるんじゃないかと焦っていたけれど、話を聞いていると、森本はそういう危険なことはしなさそうな男だなと思えてくる。

あたしは彼を小馬鹿にしながら、両手をついて立ち上がろうとした。