ティアラ

一体、何が起こったのか?

「美和を狙うようにして、この本が飛んできたんです」

辞書みたいな分厚い本が、割れたドアの下に落ちていた。

どうやら、それは廊下側から飛んできたようで……。

それを見た太一はあたしに覆いかぶさり、本が当たらないようにしてくれたのだ。

教師に事情を話す直子の言葉で、あたしは自分が狙われていたことを知る。

「……若葉図書館?」

本の後ろに貼ってあるシール。

犯人はその図書館から、この本を借りたのだろうか?

あたしたちを囲う生徒たちを、ジッと見渡す太一。

怪しい人物を探しているのだろう。

だけど、そこに集まっている生徒たちを見ても、犯人らしき人はいない。

みんな、心配そうな顔であたしを見ているの。

「この中にはいないみたいだな。もう逃げたのかな……」

同じように思っている太一は、小さく舌打ちをする。