ティアラ

暗い表情をしていた直子とあたしは、その部分を見てふき出した。

「ちょっとダサいよね」

ぽつりとつぶやく直子の台詞が余計に面白くて、不安が薄らいでいく。

あたしたち3人は靴箱の前で大笑いをしていた。

ところが……。


「危ない!」

急に真顔になった太一が、正面から覆いかぶさってくる。

太一の胸に覆われ、前が見えなくなっていたあたしの耳に入ってきたのは、ガラスが割れる大きな音。

「きゃあ!」と叫ぶ女生徒の声、何の騒ぎかと駆けつけてくる男子生徒や教師たち。

あたしから離れる太一は真剣な顔をして、「大丈夫か?」と聞いてくる。