ティアラ

「あぁ、自分だけわかっていればいいから、走り書きでメモしてたの。

絵の具タオルっていうのは、絵の具をつけたタオルで深町の顔を拭く作戦。

自転車モカうんちっていうのは、うちの愛犬はモカって名前なんだけど、モカのうんちを深町の自転車のかごに入れて、びっくりさせる作戦のこと。

……何、その目は?」

せっかく丁寧に説明してあげたのに、直子と太一はしらけた視線を送ってくる。

「……いいんじゃない?」

「……成功するといいな」

ふたりともあたしから目をそらしていく。

何なのよ、一体。

直子と太一の態度が気になるけれど、あたしは自分の考えた作戦にうっとりしていた。

深町が「許してください」って泣きついてくるのも、時間の問題だわ。